小楠と小説「竜馬がゆく」

3巻 5巻 6巻 7巻 8巻

司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」で、竜馬に小楠はどのように関わっているのか、まとめてみました。読みすごしもあるかと思いますが、ご指摘いただければありがたいです。

引用本 文春文庫「竜馬がゆく」 著者:司馬遼太郎 発行所:文藝春秋社 1999年6月第4刷

8巻

P247
 ところでと竜馬はきいた。
「先刻、この下関港に入ってきたとき、朦々たる黒煙を残して去って行った汽船があるが、あれはなんだ」
「薩の大久保一蔵殿ですよ」
 伊藤のいうところでは、薩の大久保は京都挙兵の最後のうちあわせをするためみずから汽船を駆って長州へ来、戦略戦術、兵員の輸送などをこまかく打ち合わせして竜馬と入れちがいに京へ去って行ったのだという。
(いよいよ大芝居がはじまる)
 竜馬は、かるい武者慄を禁じえない。

慶応 3(1867) 年9月14日 ハットマンから小銃1300挺を購入契約 。
9月20日 下関で海援隊士に200挺を託し、大坂に送らせた。その後龍馬らは土佐へ向かう。
慶応元(1865)年 5月横井小楠を訪ねた時、話が人物論に及んだ。小楠が龍馬に、「俺はどうだ」と尋ねると、龍馬は、「先生は二階に座ってきれいな女どもに酌でもさせて、西郷や大久保がする芝居を見物なさるがようござる。大久保どもが行き詰まったら、ちょいと指図してやって下さるとよございましょう」と答えた。その芝居がいよいよ始まった。

《近江路》
 この屋敷は庭がいい。
 薩摩藩に二本松藩邸は近衛家の別邸を買いうけたものだけに、木にも石にも、日本の代表的貴族が代々かかってみがきあげたつやが出ているように思われる。
 竜馬の新政府役人表とは、こうである。
関白
 三条実美(副関白として徳川慶喜)
議奏
 島津久光(薩)、毛利敬親(長)、松平春嶽(越前)、鍋島閑叟(肥前)、蜂須賀茂韶(阿波)、伊達宗城(伊予宇和島)、岩倉具視(公卿)、正親町三条実愛(公卿)、東久世通禧(公卿)
参議
 西郷吉之助(薩)、小松帯刀(薩)、大久保一蔵(薩)、木戸準一郎(桂小五郎・長)、広沢兵助(長)、後藤象二郎(土)、横井平四郎(小楠・肥後)、長岡良之助(越前)、三岡八郎(越前)

慶応3(1867)年10月16日 戸田雅楽と新官制擬定書を作成する。
10月 徳川慶喜大政奉還。
11月 坂本龍馬・中岡慎太郎暗殺。
12月 王政復古の大号令。
12月 岩倉具視は、新政府に、小楠の登用を、肥後藩に申し出るが、藩は反対論が大勢を占め、断る。翌年、再度の召命するも、藩は病気を理由に断る。その後、重ねて召命、肥後藩も断れずに承諾する。
明治元(1868)年4月の明治新政府の体制は、次のようであった。
議政官
義定
三条実美・岩倉具視・中山忠能・正親町三条実愛・徳大寺実則・中御門経之・松平春嶽・蜂須賀茂韶・鍋島直正・毛利広封
参与
小松帯刀・大久保利通・木戸孝允・後藤象二郎・広沢真臣・副島種臣・横井小楠・由利公正・福岡孝弟
行政官
三条実美・岩倉具視